中部山岳  帯・礫泥地の鳥

イカルチドリ

成鳥夏羽 中部山岳・標高1,500m
イカルチドリ
種 名 チドリ目/チドリ科/イカルチドリ Charadrius placidus Long-blled Plover
時 期 九州以北では留鳥、または漂鳥。 奄美大島以南では少数が越冬。
形 態 L 210mm 嘴峰19-23mm 翼長130-152mm  尾長68-78mm ふ蹠30-33mm.
    雌雄ほぼ同色。
    額と眉斑は白く、前頭は黒色。過眼線は灰褐色でコチドリより不鮮明。
    喉から頸は白く、胸元から後頸部には、黒色と白色の頸輪があ。
    光彩は黒色で、黄色のアイリングがわずかにある。 嘴は黒色。 脚は淡い黄色。
    鳴き声: 「ピュ」、繁殖期は「ピィピィピィ」。
生   態
分 布 旧北区。
    ユーラシア大陸極東部の中国中北部から日本列島に限られて繁殖し、中国南部からミャンマーかけて越冬する。
    日本では、本州、四国、九州などで繁殖する。

生息地 河原が発達した河川に生息し、特に大きい川の中流域で、氾濫原・扇状地などで多く生息する。
    コチドリは砂泥地、砂礫地を好むが、イカルチドリは砂礫地から礫地を好む。営巣地も採食地も礫地を好む。
採 食 湖沼、河川の水辺の陸地や、浅い水域で甲虫などの昆虫、ユスカリなどを採食する。
    砂礫地をジグザグに歩いたり、走っては急停止したり、虫に狙っていることを気づかれないように、そっぽを向き、
    瞬時に振り返って虫を採食する。虫に不意打ち急襲するタイプ。

繁 殖 繁殖期は、3-7月。 一夫一妻。 縄張り分散する。
    巣づくり: 雌雄共同作業で行う。雌雄が礫の間の地上に窪みを掘り、巣材の植物片などを敷いて巣をつくる。
    産卵: 1巣卵数、3-4個。ほとんど4個。
    抱卵: 雌雄交代で抱卵する。 孵化日数: 約27日。 雛は早成性の離巣性。
    育雛: 雛は自分で採食するが、初めの頃は雌雄で抱雛する。 雌雄が雛を育て、生後21-28日間で独立する。
    親が雛に危険を感じると、雌雄が、はげしい擬傷行動をする。

    
縄張り形成時: 縄張り争いは、オス同士が体を水平にして走る、相互にジグザグに走る、相手に突進するなど。
    
    つがい形成時: 求愛のディスプレイは、オスはスクレイピング(窪みをつくる)・ディスプレイをする。
    スクレイピング・ディスプレイは、オスが地上の一点でうずくまり、胸を地上に押しつけ、脚で砂を蹴る動作を
    しながら
「ピッピッピッ」と発生してメスを呼ぷ。 首を上げて翼を斜め上にし、尾羽を少し開く。
    メスがオスの近くに来ると、オスは窪みのふちに立ち、体を水平にし、扇形に開いた尾羽で窪みを覆う。
    メスは気に入ると、オスの尾羽の下に入って、窪みに座り込む。
    このディスプレイは、つがい形成時、巣づくり時、交尾のときに行われる。

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