カワウの群 2000.10.14 谷津干潟
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カワウの繁殖羽 東京都
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種 名 ペリカン目/ウ科/カワウ 河鵜 phalacrocorax carbo hanedae Japanese cormorant 時 期 留鳥。 東北地方以北では漂鳥(夏鳥)。 形 態 L810mm W129mm 嘴峰56-69mm 翼長311-348mm 尾長151-161mm ふ蹠57-60mm 雌雄同色。 成鳥は、全体は金属光沢がある藍黒色。 眼の周囲から嘴の周りにかけて羽毛はなく、肌が裸出して黄色。 黄色い肌の周囲には白い幅広の帯がある。 上背と肩羽には暗褐色で、各羽の縁は黒色。 繁殖羽には腰の両側に各1つの白い三角形の斑があり、頭と上頸に白色の糸状羽毛がある。 眼下には紅色の斑紋ができ、眼の先や喉の皮膚の裸出部分が黒くなる。 年数を経た成鳥は、白い糸状羽毛で頭・頸が白く目立つ。 若鳥は、上面が暗褐色で、下面が汚白色に褐色の縦斑があり、3年後、成鳥と同じ羽色になる。 鳴き声:「グルルル」「コァコァコァ」「グァグァグァ」 生 態 分 布 全北区、東洋区、エチオピア区、オーストラリア区、北アメリカ大陸北東部。 日本では、本州・九州の各地で繁殖していたが、現在、10数カ所にコロニーが減った。 繁殖地が減った原因は、カワウが営巣する樹木が彼らの糞(リンを含む)によって枯たため。 また、人為的要因としては、水質汚染、自然環境破壊(都市化)など。 生息地 内陸の淡水、河川、湖沼に生息し、その近隣の林で営巣・繁殖。 採 食 水掻きで水面を移動したり、潜水して尾羽で舵をとりながら魚類、甲殻類を採食する。 水中でとった魚は、水面に浮上してから呑みこむ。 繁 殖 一夫一妻。 繁殖期は、全国的では通年。 年に2-3回。 冬でも繁殖するのが特徴。 産卵期は、11月から翌年6月(東京都では7月)。 巣づくり: 地上約5-25mの枝上に、小枝、枯れ草、海藻などの巣材を雌雄で運び、皿形の巣をつくる。古巣も利用。 産卵: 1巣卵数、3-4個。 抱卵: 雌雄交替で27-31日後に孵化。 育雛: 雌雄が共同で行い、親が食道まで吐き戻した半消化の餌をくち移しで与える。 雛は孵化後30-45日で巣立つ。 若鳥は、生後3-4カ月後、巣から遠い餌場の海・河川へ、成鳥とともにV字型や一列編隊の列を組んで飛ぶ。 |
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集団で追い込み漁をして魚を採食します。
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採食は主に潜水して採食しますが、水面を泳ぎながらの採食もします。方向転換は尾羽で舵をとります。 潜水で濡れた羽を水面に出して広げ、乾かす行動も見られます。 |
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カワウが羽を広げているのは、なぜ?
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カワウが水面に浮かんでいるときは、体の半分以上が沈みます。
それは、潜水に都合好く体重が重いことと、羽が水分を含みやすいため。 |
カワウの羽毛はカモ類に比べ、水をはじく脂肪が少ないために濡れやすい。
水からあがったカワウは、翼を広げて羽毛を乾燥し、飛行しやすくします。 |
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カワウは全蹼型 体が大きいペリカン目は、第1趾から第4趾まで 全ての趾に蹼膜(ぼくまく)が張った蹼足です。 |
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婚姻色 = 繁殖羽
成鳥は、白い糸状羽毛で頭・頸が著しく白くなる。 |
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カワウのコーリング
群れの1羽のそばにやってきたカワウ(左側)と ともに鳴き交わしを始めた。「グァーグルルル...」と発生して... |
反り返ったり、嘴を合わせたり.....
冬でも繁殖するカワウ 求愛のディスプレイ |
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嘴を絡ませる、反り返って鳴き交わす、嘴を交わらせる。 このようなディスプレイを10回以上も繰り返していた。
2000.10.14 谷津干潟 |
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