種 名 チドリ目/シギ科/ 三趾鷸 Calidris aiba Sanderling 時 期 旅鳥、または冬鳥。 形 態 L190mm 嘴峰23-28mm 翼長117-130mm 尾長46-55mm ふ蹠22-26mm. 雌雄同色。 夏冬異色。 趾(ゆび)は三本で後趾がない。 夏羽は、頭部、上面が赤褐色で黒い斑がある。 顔、前頸、頸側、胸は赤褐色で、黒い小斑が多い。 喉、腹、下尾筒は白色。 冬羽は、上面が灰褐色で羽軸は黒褐色。下面は真っ白。 翼に白帯がある。 鳴き声:「チュッ」、繁殖地では「クリークリー」「ピリー」 生 態 分 布 全北区。 ユーラシア大陸と北アメリカ大陸の環極地方、チュコト半島、 カナダ北部、グリーンランドに繁殖分布し、冬は赤道周辺から アフリカ大陸南部、オーストラリア大陸、南アメリカ大陸まで 広範囲に渡って越冬する。 日本では、8-9月、5月に旅鳥として全国で見られる。 本州以南では、少数が越冬する。 生息地 海岸の砂浜の波打ち際、広い砂浜、干潟、干拓地の水溜まり。 繁殖地は、北極の岩石砂漠、石の多い不毛のツンドラなどの 植生がまばらなところに生息し、裸出した粘土質の高地の開 けたところで繁殖するのは、他のシギ類と異質。 |
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ミユビシギ成鳥 冬羽(少し夏羽が残る) 2002.9.11
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ミユビシギの採食
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海岸の波打ち際を気ぜわしく走って採食する。 波が打ち寄せて来ると砂浜に駆け上がり、波が引くとその波を追うように走って行き、再び波が寄せて来ると砂浜に駆け上がり、波の動きに合わせて採食する。 |
貝を嘴に挟んだミユビシギの冬羽。 ハマシギの群れに混じると、ミユビシギのほうが白っぽく見える。 日本へ渡って来た当時の体型はスマートですが、2月はふっくらに。 |
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採 食 波打ち際で、打ち寄せる波の動きに合わせてハマトビムシなどを嘴で探ったり、ついばんだりして採食する。 繁殖地では、アブ、カ、ガガンボなどの昆虫を食べ、それらが非活動期にはコケ類、海草の芽を採食する。 繁 殖 繁殖期は、6-7月。 一夫一妻。 一夫一妻で繁殖し、メスが1巣卵数すべてを産み終えると、つがい関係は解消すし、オスもメス相手を見つけて、 もう一つの1巣卵数をつくり、オスが初めの巣の抱卵、子育をてをし、メスが二番目の抱卵、子育てをする二重巣卵体制で あるらしい(Johnsgard,1981)。 しかし、繁殖分布によっても異なるらしい。グリーンランドに繁殖分布する個体は、雌雄で抱卵、育雛をしていた(Johnsgard,1981)。 巣づくり: 雌雄のどちらかが巣をつくる。 巣はチドリ類のように覆いがない開けた露出地に巣をつくる。 地上の窪みにヤナギ類の枯れ葉、植物片などを敷いて巣をつくる。 産卵: 1巣卵数、3-4個、ほとんど4個。 抱卵: 雌雄のどちらかが抱卵し、24-31日ほどで孵化する。 雛は早成性の離巣性。 育雛: 雌雄のどちらかが子育てをする。 雛は生後、わずか17日ほどで独立する。 非繁殖期は、2-3羽から20-30羽の群れで過ごす。ときには数百羽の大群になる。 繁殖地には小群で渡来し、オスは縄張りを形成する。 ディスプレイは、フライトディスプレイと、グランドディスプレイがある。 フライトディスプレイは、縄張り形成時、直径300-400mの範囲の地上9-20m上空で行われる。 翼を振動させる上昇飛翔と、短い滑空飛翔を繰り返すスイッチバック型で、さえずりを繰り返す。 グランドディスプレイは、求愛時のディスプレイで、オスが翼を下げて猫背のポーズで羽毛を逆立て、 尾羽を下げて広げ、メスについてまわるディスプレイをする。 交尾は、メスが先導し、巣の窪みの上で行われる(Johnsgard,1981)。 |
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シギ類は、くちばしの先端だけを開くことができる。 冬期は、”白くて丸くて、大福のような、とてもカワイイ鳥 ” その表現がぴったり。 |
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