成鳥冬羽 2002.12 三番瀬
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干潟のプールに影を落としたシロチドリ 成鳥冬羽
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ゴカイを引っ張り出して食べる...ゴカイは伸びるので食べづらそう
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種 名 チドリ目/チドリ科/シロチドリ Charadrius alexandrinus Kentish Plover 時 期 留鳥、または漂鳥。中部地方以北では夏鳥。関東地方以西では越冬する個体が多い。 形 態 L 170mm 嘴峰16-19mm 翼長102-119mm 尾長44-54mm ふ蹠25-33mm. 雌雄ほぼ同色。 夏冬異色。 夏羽オス、額と眉斑は白く、前頭は黒い。頭上から後頭にかけて淡い赤褐色で、背から下は灰褐色。 顔と下面は白く、黒色の過眼線と両胸側の黒色が目立つ。翼に白帯がある。 夏羽メス、前頭の黒色がなく、頭上、後頭部、背過眼線、胸線は灰褐色。 冬羽オス、頭上の赤褐色がない。 鳴き声: ふだんは「ピル」「ピルウ」、繁殖期には「ビルルル」「ビイユ」と鳴く。 生 態 分 布 全北区。 ユーラシア大陸とアメリカ大陸西部の低・中緯度地方で、不連続的に繁殖分布し、 冬はアフリカ大陸、インド、東南アジアメキシコなどに渡って越冬する。 日本では、本州以南に渡来して、繁殖、越冬する個体もいる。 生息地 繁殖期は、海岸の砂浜、河口の干潟。大きい河川の広々とした砂州などで繁殖し、 渡り期や、越冬地では海岸、河口の干潟、潟湖、湖沼、溜池、河川などの砂泥地で生息する。 採 食 忙しく走って見て見ぬふりをして急停止し、急に方向転換をして嘴でついばむ・・・急襲型の採食をする。 昆虫、クモ類、甲殻類、ゴカイ類、貝類を食べる。 引く波を追い、砂に隠れるヨコエビを採食する。 繁 殖 繁殖期は、3-7月。 一夫一妻。 つがいは縄張り分散をする。 巣づくり: 雌雄でつくる。砂地の漂流物の間や、まばらな草の間の窪みに、木片、小石、貝殻などを敷いて巣をつくる。 産卵: 1巣卵数、3個が多い。 抱卵: 雌雄交代(夜間はオスが、日中はメスが抱卵し、オスは見張り役)で抱卵する。 孵化: 24-27日ぐらいで孵化する。 雛は早成性の離巣性。 育雛: 雌雄が子育てをして、雛は生後、27-31日で独立する。 擬傷行動: 雛を連れた親鳥は、他の種の個体が近づくと、あたかも自分が怪我をしていて飛べないふりをし、 わたしを狙ってください、といわんばかりに親鳥の方へ注意を引かせ、その間に雛を草むらなどに避難させる「擬傷行動」をする。 非繁殖期は、20-40羽の群れで過ごす。200-300羽の群れになることもある。 威嚇のディスプレイは、グランドディスプレイと、フライトディスプレイをする。 地上ディスプレイは、オスが地上で頭を下げて水平の姿勢になり、頭や背の羽毛を立てて相手に突撃するディスプレイをする。 フライトディスプレイは、オスが15mほど上空で体を左右に傾けながら、バタフライ型で飛びまわる。 求愛のディスプレイは、スクレイピングディスプレイをする。 オスがいくつかの窪みを掘り、メスを窪みに呼ぶ・・・メスがその窪みが気に入ると、メスはオスを強引に押しのけて巣に座る。 コチドリのメスは、オスが広げた尾羽の下に入るが、シロチドリのメスはオスを強引に押しのける。 コチドリ参照。 |
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