千葉県・谷潟  水地帯・礫泥地の鳥

ソリハシシギ

ソリハシシギ ソリハシシギ
ソリハシシギ
種 名 チドリ目/シギ科/ソリハシシギ 反嘴鷸 Xenus cinereus Terek Sandpiper
時 期 旅鳥。
形 態 L230mm 翼長126-141mm  
    雌雄同色、夏冬異色。
    鳴き声:「ピイピイピイ」
    小形のシギのなかでは嘴が長く、嘴峰は43-52mmで、上方に湾曲している。
    夏羽: 上面は灰色に黒い縦斑があり、肩羽と小雨覆は黒く、背側に黒縦帯がある。
    下面は白く、頸・上胸には灰色の縦斑がある。
    嘴: 石板色で、下嘴の基部は黒緑色。  脚: 橙黄色、ふ蹠25-28mm。
    冬羽: 背の黒色縦帯がない。
生    態
分 布 旧北区。ユーラシア大陸の高緯度地方(欧州北東部・シベリア北部)で繁殖し、
    冬期はアフリカ、インド、東南アジア、オーストラリアなどで越冬。
    日本では、渡りの途中の8-10月、4-5月に見られ、秋の方が春よりソリハシシギの個体数が多く見られる。

生息地 森林樹林帯の藪が散在する湿地草原や砂利地、荒れ地のある谷間、氾濫原、ツンドラ草原などで繁殖し、
    干潟、河川、湖沼の砂泥地、水田など、浅い水域で生息。
採 食 浅い水の中に入って、活発に採食する。
    反り返った嘴で探ったり、水面、泥地からついばむんで双翅類の昆虫、甲殻類などを採食する。

繁 殖 一夫一妻制。 繁殖期に縄張りを分散。 フライトディスプレイをする。
    巣づくり: 地上のくぼみに植物片で巣をつくる。
    産卵: 1巣卵数、4個。
    抱卵: オスとメスが交代で抱卵する。
    育雛: メスが子育てをする。
    孵化: 23-24日ほどで孵化した雛は、15日ほどで独立。

    非繁殖期は、単独か小群で生活。
ソリハシシギ-3 ソリハシシギ採食
ソリハシシギの採食

干潟を走ったり歩いたりし、上方に湾曲した嘴で干潟の生き物をすくい上げるようにして採食する。
カニなどの甲殻類を好んで食べ、昆虫の成虫・幼虫なども採食する。

頭掻きは、直接頭掻き。
シギ・チドリにつけた識別標識・レッグフラッグ
レッグフラッグ
ソリハシシギの脚についている識別標識は、千葉県木更津市小櫃川河口で装着したレッグ・フラッグ(左すね:青、ふし蹠 :白)です。そのソリハシシギが千葉県習志野市谷津干潟で観察されました。 夏羽から冬羽に換羽中の成鳥(2003.9.30)

レッグフラッグの意義
「1993年、釧路で行われた第5回ラムサール条約締約国会議以降、アジア大陸の特に東端から大陸の多くの場所で、シギ・チドリ類の生息地が急速に失われている現状が明らかにされました。
保全戦略として、鳥たちの渡りのルートについて観察情報をできるだけたくさん集めるため、研究者たちがシギ・チドリ類の鳥たちの足につけてきた小さな旗(フラッグ)を利用しています。
フラッグの観察情報は鳥たちの保護だけでなく、湿地保全にも役割をもつ情報です。」
山階鳥類研究所・シギ・チドリのレッグフラッグから引用

レッグフラッグの観察情報は、(財)山階鳥類研究所・標識研究室へお寄せください。


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