ふなばし三番瀬海浜公園

干潟の保全 自然環境保全

日本は四方が海に囲まれている海岸線の長い島国ですが、
その海岸線の多くは埋め立てられてしまい、コンクリート化した直線的な海岸線。
1945年、80,000ヘクタールあった干潟が、現在、50,000ヘクタールになってしまいました。
そのうちの約40%は有明海にある干潟であることから、全国各地に点在する干潟が、
いかに少ないか お解りいただけると思います。

干潟の重要性

干潟の泥・砂地の環境には、ゴカイ、貝類、カニなど様々な底生生物が生息し、
それらを食べる水鳥や魚などの重要な生息場となっており、生態系が成り立っています。
三番瀬に生息するアサリ、シオフキなど3種類の貝だけで
三番瀬付近の全海水を 2〜5日で浄化します(国立環境研究所)。
三番瀬の高い水質浄化機能を下水処理に当てはめると、1日あたり97,100立方メートルで、
それは約 130,000人分に相当し、大切な生物です。

このような干潟の重要性に早くから気づいた欧州では、
1980年代後半からオランダやイタリアの干潟や湿地を回復する試みを始めました。
また、農地を湿地に戻すプロジェクトがデンマークにもあります。
さらにはアメリカでも湿地の消滅を止め「これ以上、湿地をなくさない」と、大統領宣言もあります。

日本の干潟保全・再生の実行は、今後どのように変化するのでしょうか。
三番瀬、諫早湾 ...など、日本各地の干潟は日本領土内の干潟であっても
国際間を行き来する『国境をもたない渡り鳥』にとっては『共有地』であり、
渡り鳥の重要な『中継地』『越冬地』となっている重要な干潟です。
保全は日本だけの問題だけではなく、生物の『共有地』としても日本は国際的信用が維持できるように
干潟の自然環境も保全・再生が大切な訳です。

『水鳥の生息地として国際的に重要な湿地』である国内のラムサール条約登録地は33箇所。

水鳥はラムサール条約に登録されいてる谷津干潟から
三番瀬へ飛来して採食・休息しています。
また、
三番瀬は、渡り鳥の中継地として、国際的に重要な湿地・浅海域です。

その三番瀬で犬が渡り鳥を追い回す

三番瀬は渡り鳥の重要な中継地であることから
市は2002年11月29日、三番瀬に面した船橋海浜公園に「犬の放し飼い禁止」の注意看板を設置。

だが、マナーの良くない人たちによる犬の放し飼いは後を絶たず、犬に脅えた鳥たちは飛び去つている。

現在、
ラムサール条約に登録されていなくても、それに相応しい環境づくりが必要。
「犬の放し飼い禁止」看板を無視したマナーの悪い人が犬を放し、鳥たちは犬におびえて飛び去り、
三番瀬船橋海浜公園の干潟には1羽の鳥もいなくなつて、ガッカリしている野鳥観察者たち。
(写真は、県外からの観察者)。
ふなばし三番瀬海浜公園に面した「三番瀬」には、ミヤコドリをはじめ、スズガモや、たくさんの渡り鳥(シギ・チドリ)が採食・休息をしています。(写真、上・左)

しかし、鳥たちは連れ込まれた犬に脅え、飛び去った。
(写真、下)

連れ込まれた犬に脅え、飛び去っているハマシギの群れ

ペット(犬・ネコ)が鳥を追いかけて飛び去る・・・鳥にストレスを与えます。
干潟上空に飛来してきた野鳥は、ペットが干潟にいるだけで脅え、干潟におりずに飛び去ります。

海鳥の場合も絶滅の危機に陥っています

世界で見られる海鳥は 300種
日本で見られる海鳥は 100種
そのうち日本で繁殖している海鳥は 38種
しかし、
38種のうちの23種(60%以上)は絶滅の危機に陥っています。

自然環境保全は一部の専門家だけに任せるのではなく、
私たち一人一人が自然を守らなければ 、「次世代に遺る自然」はなくなります。

撮影、観察は遠くから・・・
 人・ペットが鳥に接近すれば、鳥は人におびえて飛び立ちます。

出たゴミは、責任を持って持ち帰る。 ビニール袋を風で飛ばさない。
  ゴミを残すと砂浜・干潟・海が汚れたり、カラスが集まります。
   また、風で飛んで海洋へ流れ出たビニール袋を、ウミガメがクラゲと間違えて食べて死んでいます。

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