三番瀬(Sanbanze)と 谷潟  水地帯・礫泥地の鳥

ユリカモメ

晩秋の成鳥 冬羽 2001.11.23 東京都
ユリカモメの群
幼鳥から第一回冬羽へ移行中 11月 谷津干潟
成鳥 頭部が黒色の夏羽が見られる 4月
ユリカモメ
種 名  チドリ目/カモメ科/ユリカモメ Larus ridibundus Black-headed Gull
時 期 冬鳥。
形 態 L 400mm W 920mm 嘴峰54-64mm 翼長410487mm  尾長160-200mm ふ蹠66-75mm.
    雌雄同色。 夏冬異色。
    夏羽は、頭部が黒褐色で、嘴、脚は赤い。 眼瞼は赤く、眼の周囲に白色のリングがある。
    背は淡い青灰色。 初列風切羽には黒縁がある。 頸から下面、上尾筒、尾羽は白い。
    冬羽は、頭部も白く、耳羽、後頸に淡い褐色の斑がある。
    幼鳥は、上面に黒褐色の斑が散在し、尾羽の端に黒帯があり、嘴、脚は淡褐色。
    鳴き声:ふだん「ギッ」「ガッ」、数羽でいるとき「ギィィ」と鳴く。
生   態
分 布 旧北区。
    ユーラシア大陸の中緯度地方に広く繁殖分布し、冬は、地中海地域やアフリカ大陸北部、インド、
    中国東部、東南アジアにかけて越冬する。
    日本では、冬鳥として各地に渡来する。

生息地 海岸の漁港、河口、干潟、潟湖、内陸の湖沼、河川、水のある水田などに生息する。
    日本では、最も内陸部まで入るカモメ。
    繁殖地では、海岸や内陸の淡水、アルカリ塩水の湖沼、浅い水系のある地域、湿地帯などに生息する。
採 食 水面から1-2mほど上空を飛び、羽ばたきながら採食したり、歩いて採食したり、泳ぎながら採食する。
    主に昆虫、ゴカイ類、死んだ魚、果実などを食べる。

繁 殖 繁殖期は、4-7月。 一夫一妻。 つがいは1平方mの縄張りを形成し、数百から数千つがいのコロニーで繁殖する。
    巣づくり: 雌雄で巣をつくる。 地上の浅い窪みに植物片、羽毛など敷き、巣をつくる。
    産卵: 1巣卵数、2-3個。
    抱卵: 雌雄で23-26日間、抱卵する。 雛は半早成性の半離巣性。
    育雛: 雌雄で子育てをする。 雛は生後、10日ほど経つと巣を離れ、生後、35日ほど経つと独立する。

    年間をとおして、群れで生活をする。
    飛び上がって空中高くまで上がって旋回し、下りるフライトディスプレイをする。

ユリカモメはばたく
泳ぐとき、水掻きをじょうずに使う

泳ぐ鳥には、足指と足指の間に水掻きがある。
足指を開くと、水掻きが広がる仕組みになっている。
その水掻きは、ボートのオールの役目をする。

まず、足指を開いて水掻きを広げ、脚で後に蹴れば前進する。
後へ行った脚を前に出すときは、水の抵抗を少なくするため、足指を揃えて水掻きを すぼめてから脚を前に移動させる。
脚が最も前に移動したところで、足指を開いて水掻きを広げ、脚で後に蹴って漕ぐ・・・水の中を歩くように繰り返して泳ぐ。
羽毛の塩分や、虫などを落とすため、よく淡水で水浴びをする 10.28
ユリカモメ飛ぶ
一斉に飛びたち越冬地を去る 5月
ユリカモメの塒(ねぐら)入り

    11月の日中、約300羽の群れが干潟で採食・休息していた。16時30分頃になると決まって数羽が螺旋状に
    旋回しながら空高く上昇(上昇気流を掴んだように)して、頂点で水平に旋回しはじめると、後から数十羽、
    また数十羽が集まり、螺旋状に旋回しながら上昇して水平飛行に加わる。 ついに一つの大群となった。
    そして、後から1羽も来ないことを確認するような旋回をしばらくした後、大群は干潟上空から去って行く。
    その群れは300羽ほどになっていた。 大群となって、ねぐらへ向かうようだ。


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