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形態・生態
種 名  チドリ目/カモメ科/
     
和名 : ウミネコ(海猫)
     学名 : Larus crassirostris
     
英名 : Black-taild Gull

時 期  漂鳥、または留鳥

形 態  全長 : 470mm。メスはオスより少し小さい。
     嘴峰
(しほう) : 44-56mm,  翼長 : 340-390mm,
     尾長 : 129-155mm,  ふ蹠 : 50-61mm.
     体重 : ♂600g、♀500g

     寿命 : 蕪島で23年令を観察、平均12年令。
     雌雄同色。
     
成長の尾羽に黒い帯があるのはウミネコだけであることから、英名は、Black-taild Gullと呼ばれている。
     夏羽: 上面は濃い青灰色で、頭部・頸部・部胸・上尾筒・下面は白い。 初列風切は黒く、先端に白い斑がある。 
     嘴(くちばし)は大部分が黄色で、先端は黒帯、最先端には赤斑がある。 脚と水掻きは黄色。
     光彩は淡い黄で、赤いアイリングがある。(写真下参照)
     冬羽: 頭部、後頸に灰褐色の縦斑があり、脚・嘴の黄色が淡くなる。
     幼鳥: 全体に焦げ茶色で、嘴は灰色ぎみの淡い赤色で先端が黒い。 尾羽は黒褐色で、脚は灰色ぎみの淡い赤色(写真下参照)。
鳴 声  「ミャー ミャー」と短く区切って鳴く。
     その鳴き声がネコの鳴き声に似ているところから、和名は、ウミネコ(海猫)と呼ばれている。

     繁殖地での鳴き声は、繁殖生態の各ページに行動に伴う鳴き声を掲載してあります。

生   態
分 布  旧北区。
     分布: オホーツク海、日本海、千島列島全域、日本列島の太平洋沿岸に繁殖分布し、
     越冬: 冬は、中国大陸沿岸、台湾まで移動して越冬する。
     日本では、北海道、本州、九州の沿岸各地で繁殖し、繁殖後・冬期は各地に移動分散する 分布・移動 マップ
     繁殖地が日本とその近海に限られているため、繁殖地が天然記念物に指定されている場所もある。

生息地  岩礁、沿岸、内湾、魚港、干潟、河口に多く、河川、池にも入る。 樹林には入らない。
     各地の海岸線に沿って飛び、洋上にも出る。
     一年中、群れで生活し、岩礁、漁港、港の堤防、河口の中州、砂浜などに集団で休息し、
     時々いっせいに飛び立っては元へ戻る行動をする。 群で漁船に集まったり、帰港する漁船を追って港に入ってくる。
     海が荒れたときは、大河川を遡ったり、市街地にも入り、体についた塩分・寄生虫を落とすときは、淡水池などで水浴びをする。
     繁殖期には、露地・草の生えた露地で断崖がある岬や島、沿岸の無人島、岩礁などにコロニー(集団営巣地)をつくる。
     繁殖しない若鳥は繁殖地へ行かず、越夏するのもいる。
     
採 食  動物質食。 海上や海岸を飛びながら、水面や地上の食べ物を探す。
     ウミネコは水に潜れないため、飛びながら採食、上空から水面に浮き上がってきた魚などを採食、泳ぎながら採食する。
     漁船に群れで付きまとい、船の上空を旋回しながら次々と降下や、ホバリングをして、漁船からこぼれた魚を採食する。
     拾い屋のウミネコは、漁港などに落ちている魚、加工場から出るアラ、甲殻類、動物の死体などを採食する。
     また、海荒れや濃霧のときには10kmも内陸部に入り、昆虫(アブ類)、オタマジャクシなども採食する。

繁 殖  繁殖期: 4-7月。 一夫一妻。 つがいは約1メートル四方の縄張りをもち、コロニーに分散する。
     縄張り: 縄張りを取り合う縄張り争いをして縄張りを形成し、形成した縄張りへ接近・侵入する個体を、雌雄で激しく防衛する。
          縄張り形成時、防衛時の争いは、嘴を挟み合って引っ張り合ったり、翼を嘴で挟んで引っ張り合う争いなどをする。
     巣づくり: 雌雄が協力して巣をつくる。 
地上の窪みに枯れ枝・草、木片、海草、漂流物などを敷いて巣をつくる。
     産卵: 1巣卵数、1〜4卵。 希に6卵もある。(2-3卵が多い) 
     抱卵: 雌雄が2-3時間おきに交代して抱卵する。 私の観察では自然に抱卵交代をし、希
に押しのけ交代で抱卵をした。
     孵化: 24-25日で孵化する。 雛は早成性の半離巣性。
     育雛: 雌雄が給餌をして子育てをする。 生後2-3日間は、自然に雌雄交代で抱雛し、強引な抱雛交代は見られない。
         雛は45日ほどで、「突き放し」をされて巣立つ。 繁殖生態は、写真・解説で詳しく掲載しました。ご覧ください

     求愛のディスプレイは、グランドディスプレイをする。
     メスがオスの嘴や喉を突っついて餌をねだり、メスが嘴を空に向けて「ミュー」と鳴く、カモメ類独特の求愛をすると、
     オスはメスに応えて、半消化の魚などを吐き戻して、メスにプレゼントする・・・求愛給餌を行う。
     非繁殖期は、群で生活する。
ウミネコの特徴・写真

「くちばし」と眼.... 光彩は淡い黄で、アイリングは赤い
ウミネコの足と水掻きは、黄色で爪は黒い
成鳥の尾羽の黒い帯が特徴
成鳥の翼の初列風切は黒い
写真左: 2年目に入った亜成長。 くちばし・は灰色っぽい。 3年経つと成鳥と同色になり、繁殖行動をする。
写真右: 3年目に入った若鳥。 くちばし・脚は黄色い。 長鳴き行動... まだ成長の声を出せない。

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