ウミネコの生活史 なわばり争い-2
侵入オスを縄張り外へ追い出す争い
4月、縄張りが確立してきます。 そこへ接近・侵入してくる個体に対して威嚇をします。
それでも縄張り外へ出て行かなければ、出て行くまで争いがつづきます。
縄張りを形成したオス(右)は、首を前方にのばし、侵入してきた個体(オス=左)に威嚇して縄張りの外へ追い出そうとする。 | 威嚇された侵入個体が、縄張りから出て行かない場合は、縄張り争いに発展します。 元々いたオス(左)と侵入オス(右) お互いに嘴を挟み、にらみ合い、翼をたたんだまま引っ張り合って、15分経過。 |
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その後、激しい縄張り争い.....
元いたオスは、侵入してきた個体の顔の近くを嘴で挟みなおして引っ張る。 侵入個体は引っ張られないように、足を前方に出して踏ん張り、翼を羽ばたいて耐える。 |
争っているところは、一段、高くなっている場所。
元いたオスは、侵入個体を縄張り外へ追い払うため、引きずり落とす作戦... 足を踏ん張って侵入個体を引きずり寄せた。 |
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元いたオスも、侵入個体も縄張りを確保したいために激しく戦う。
元いたオスは宙吊りになり、体重を使って侵入個体を縄張りの外へ引きずり出したいのだが、侵入個体も縄張りを確保したい意志を捨てない。 |
元いたオスは羽ばたいて上がり、翼と足の力を使って、一気に侵入オスを引き寄せた。 ウミネコ独特の黒い帯のある尾羽がよく見える。 |
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さらに、侵入オスを引き寄せる。 ついに侵入個体は、もう踏ん張る場所がなくなった。 侵入個体は、翼を羽ばたき、その揚力を頼りにして「落とされるものか」と耐える。 |
元いたオスは侵入個体を下へ落とし、縄張り内から引きずり出そうとするが、侵入オスは落ちないように耐えようと必死になって羽ばたく..... 縄張り獲得への執着心。 | ||
やはり元々いたオスのほうが強かった。 嘴を挟んだまま、ずるずると侵入オスを引きずり落とした。 元いたオスは、侵入オスの嘴を挟んだまま下へ。 戦いに負けた侵入オスは他の縄張りに接近し過ぎて、攻撃された末、どこかへ飛び去った。 |
元いたオスは形成した縄張りを守ることに成功した。 その縄張りに戻ったオスは、強烈な縄張り争いによる大変な疲れから、体が小刻みに震え、息切れをしていた。 |
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縄張り内で、メスは戦いに勝ったオスのそばに寄り、お互いに「長鳴き」をして縄張りを主張した後、「チョーキング」をして「ここは、わたしたちの巣よ!」と、改めて主張していた。 一日に何度も侵入個体と戦うことは、少なくない。 |
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