TOP PAGE

史 抱卵-2
抱卵期、ウミネコはオス・メスが交代で、卵を約25日間あたためます。
卵をくちばしで回転して抱卵します。 抱卵中のウミネコの警戒心は...


抱卵の交代

1 2
3 4
ウミネコの抱卵は、オスとメスが協力しあって卵を温めます。 抱卵の交代は、2〜3時間で交代します。
14は、抱卵していたオスがメスと交代。
抱卵交代して巣を離れると、羽づくろい、背伸び、縄張りへの侵入個体を警戒して見張り、採食に行ったりします。
抱卵交代 

抱卵交代をするときは、
写真上の14のように、穏やかな抱卵交代(70%以上)が行われます。
しかし、ときには写真左のように押し退ける強引な交代が行われます(30%以下)。

抱雛時の交代も、おだやかな交代でした。
お行儀の悪い乱暴な強引な抱卵・育雛交代はほとんど観られませんでした。

70%以上が、穏やかな抱卵交代。


卵を回転して温める

精子と結びついた卵子(卵黄)の胚(はい)は、細胞分裂をはじめます。
卵黄は卵白の中で、卵殻(丸みの大きい側)---カラザ--- 卵黄 ---カラザ--- 卵殻(丸みの小さい側)の順に繋がり、
カラザは、卵白の中にある卵黄を支え、卵黄を卵殻長径の中央に安定させる役割をもっています。

しかし、抱卵時に卵を回転させなければ、卵黄は卵殻短径の一方に片寄り、胚は卵殻にくっついて壊れます。
親鳥が卵を回転して温める訳は、卵黄の胚が卵殻にくっつかないようするためと、ムラなく温めて孵化させるためです。
それは、ゆで卵を作るとき、卵を回転しないで茹でると卵黄が片寄り、
卵黄が卵白の中央になるように茹でるためには、卵を回転させながら茹でる、それと同じです。

卵を嘴で回転させて温める

抱卵中、くちばしを使って上手に卵を回転させ、両足の間に入れます。
卵を抱くときは、先に胸から卵に接して足で巣の後ろを蹴り、卵を胸から腹部へ転がして温めます。
そして座り込んだウミネコは、体をゆすって卵の位置を決め、位置が良くないと、また卵の位置を直します。

ウミネコは強い警戒心・威嚇
 抱卵期、育雛期のウミネコは子育てをしたい一心で、警戒心が著しく強くなっています。
気に入らないものに対しての威嚇は、「ミャー、ミャー」と区切って鳴くのではなく、「イヤーーー」とも聞こえような声で「ミヤーーー、ミヤーーー」と長くのばした大声で叫び、眼をまるく大きく開き、そして嘴も大きく開いて威嚇をします。
それはいかにも「野生のウミネコ」といった感じを強く受けます。

 しかし、餌付けなどでヒト慣れしてしまったウミネコは、威嚇の声も出さず、座って抱卵したまま。
また、威嚇の声を出すが、座ったまま。 さらには声も出さずに立ち退き、一定の距離を保っているウミネコなど、
さまざま.....  私はウミネコの野性味を失いたくない。

 不用意にウミネコの巣へ近づくことは、鳥にストレスを与え、抱卵放棄してしまう結果となってしまいます。
また、ウミネコは、自分の巣から外へ出た卵を、自分の巣へ戻して抱きません。
それは、接近した縄張り同士の争いで、巣外へ出た卵を、自分で自分の巣へ戻さなかったことから判りました。

卵が温められて...
卵子と精子が結びついた有精卵は温められ、胚は細胞分裂をし、卵黄の栄養分が雛の体へ行き渡る血管をつくります。
雛の体、嘴、幼翼、眼などができ、幼綿羽が生えてきます。
雛の上嘴には卵嘴(らんし)という突起ができ、卵殻を割って孵化します。

いよいよ孵化はじまる... ヒナの誕生

ウミネコ CONTENTS / このページのTOP

Home
Contents


Nature Photo Gallery = S.Ochi`s HomePage に掲載の写真・記事の無断転載を禁じます。
すべての著作権は、越智 伸二に帰属します。
Copyright(c) Shinji Ochi. No reproduction or republication without written permission.