ウミネコの生活史 孵化
5月、雛の誕生 嘴打ち(はしうち)〜 雛の誕生〜 雛が立つ〜
嘴打ちから完全に孵化するまでの撮影は、オス・メスの抱卵交代時に撮影しました。
卵歯・卵嘴、ウミネコの嘴打ち 始まる 2003.5.22 撮影
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1 必ず、卵の丸みの大きい方に穴が開きます | 2 卵の中から「ピーピー」と雛の声が聞こえる | |||
3 卵の中で、雛は嘴を動かして穴を広げます | 4 穴も、ひび割れも広がり、雛の肌が見えます | |||
ウミネコの卵は、抱卵開始から約25日が経過すると孵化をはじめます。 雛は卵から出るために、嘴で卵殻の内側から卵殻に穴を開ける「嘴打ち・ハシウチ」をはじめます。 |
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ウミネコの雛には卵歯・卵嘴(らんし)が・・・ ウミネコの雛には、上嘴の先端部に突起状の卵嘴・卵歯(写真)があって、それを使って卵殻に穴を開けます。 雛が完全に孵化する日数は、気温差で1日か2日間。 自力で立てるようになるまでは、さらに一日かかります。 卵嘴・卵歯は、ふ化すると必要ないため、しだいに消えてなくなります。 |
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雛が卵殻を割って... 2003.5.23 撮影
1 雛が卵殻を割る | 2 卵殻中から出ようと活発に動く | ||
3 足や翼の力を使って、卵殻を大きく開く | 4 卵殻が大きく開き、ふ化する直前 |
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ウミネコの雛は、卵殻にいるとき、幼綿羽に覆われた半早成性です。
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雛の誕生 2003.5.23 撮影
生まれたばかりの雛の綿羽は濡れて固まっている。 幼綿羽が乾くまでに1〜2時間かかる。
6月中旬までに1万羽以上も誕生します。 孵化率は、産卵数の約70パーセント。 |
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雛の綿羽が乾く 2003.5.23 撮影
雛は毛が乾くと、ふわふわの温かい幼綿羽に覆われていて、
体の色は、全体が淡い茶色で、黒い斑点が散在しています。 |
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やませ=偏東風は冷たく、親の下へ潜り込んで暖まる | |||
歩けるようになった雛
孵化して1日経つと、立てるようになり、転びながらヨチヨチ歩ける。 外の冷たい風(やませ)を避けるため、親の体の下や翼に挟まれて休みます。 3日間、親に抱雛されます。 |
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やませ(山背)とは、東北地方で山を背に海から吹く風をいう。それは5月から夏期、海から吹く霧や雨をともなった冷たい偏東風。 やませもウミネコの雛の死亡率を高めます。
雛は、孵化に1〜2日かかり、立てるようになるまで1日かかりますが、その後は驚くべき成長で、 |
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