ライチョウの生態写真・解説 -4

巣づくり・交尾・産卵、ライチョウの卵


繁殖生態 巣づくり・交尾・産卵

ライチョウのメスの横顔

メスの肉冠

メスにはオスのような大きな肉冠(にっかん)はありません。
メスの肉冠は写真のように小さく、眼の上が ほんのり赤いだけです。

交尾は 6月上旬、縄張り内で行われます。
交尾は両翼を下げたメスの背にオスが乗って、くちばしでメスの後頭部をくわえ、
オスも両翼を下げて扇形に開いた尾羽を動かしながら交尾をします。
一夫一妻制ですが、一夫多妻で繁殖する場合もあります。

巣材・巣づくりは、縄張り内のハイマツの下の地上に、
小枝やハイマツの落葉を集めて作り、
巣の大きさは、直径150mm前後、深さは80mm前後。
産卵6月上旬 - 中旬、メスが巣に座り込み、数日に分けて産卵します。



ライチョウの卵


ライチョウの卵は.....

卵の大きさ = 卵の長径は42 - 50mm、短径は29 - 34mmほど。
卵の色 = 卵殻(らんかく)はクリーム色っぽい地に、黒褐色で大小濃淡の斑点があります。
卵の色、模様があるのは、地肌の色に溶け込み、天敵に見つかり難いため。
卵の数 = 1巣の平均産卵数は6個で、5〜7・10個産みます。
卵の重さ = 平均 22.8g
卵から雛の誕生 = 7月上旬、最終卵を産み20-23日で孵化(ふか)します。



メスが抱卵 オスは見張り役

ハイ松の上で見張り

6月中旬、メスは抱卵(ほうらん = 卵を抱く)、オスはハイマツの上で見張り。

数日に分けて産卵し、最後の卵を産み終わると、すぐ抱卵します。
7月上旬、最終卵を産み 20-23日で孵化し、孵化直後の雛の体重は18g 前後です。

ライチョウが抱卵期の巣、孵化のようすを撮影することは、
親鳥を脅かして抱卵放棄させたり、また、その生息地に大きな悪影響
を与えてしまうことから、
ライチョウの減少を加速させるため、その保護を目的として撮影しておりません。

を大ざっぱに説明しますと・・・
・ライチョウの巣は、ハイマツの枝の下の地上にあるため、人が立った姿勢で入れない。
・巣を観察、撮影するために這いつくばって入れば、地上の高山植物を破壊してしまう。
・ライチョウは、メスのみが抱卵を行うことから抱卵交代がないため、観察、撮影でメスを追い払うなど、
巣を観察、撮影すれば、ライチョウとライチョウの生息環境に多大な悪影響を与えることになります。
巣の見つけ方を書いた写真集を見ておどろきました・・・以ての外です。

孵化する写真をご覧になりたい方は、雌雄交代で抱卵する鳥類の こちらを参考に。

子育てはメス
オスは抱卵中のメスに近寄らず、縄張りの全域が見渡せる見張り場で見張りの役割。
侵入オスを警戒をし、縄張り防衛をしています。



スポットがあたる雷鳥

スポットがあたるオス

採餌の合間の休憩... 朝日のスポットを浴びるライチョウ

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