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種 名 ペリカン目/ウ科/ウミウ 海鵜 phalacrocorax capillatus Japanese cormorant 時 期 日本海側では、九州北部以北、 形 態 L840mm W133mm カワウより大きい。 |
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波の荒い海にある岩礁で休息しているウミウ 6月
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生 態 分 布 旧北区。 沿海州、サハリン、日本など、東南アジアの日本海沿岸に繁殖分布する。 日本では、北海道、本州、九州の海岸や島で繁殖し、冬は全国の海岸で生息する。 長良川の鵜飼いに使われる鵜はウミウ。 |
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生息地 岩礁・断崖の多い荒海や、外洋に面した海岸に生息する。 島嶼や、海岸の岩礁・絶壁に集団で営巣する。 日中、岩礁で小集団がよく休息する。 カワウは、内陸の淡水、干潟、浅い海で生息するのに対し、 ウミウは、外海の島や、荒波が打ち寄せる岩礁で生息する。 |
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採 食 潜水して主に底性の魚類を採食する。 潜水する鳥類は体が重いため、水面では体がほとんど沈み、 首だけが出ているように見える。 体が重いウミウは、助走して飛び立つ。 |
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ウミウの繁殖地
高い岩礁の上にウミウの巣がたくさん見られます。 |
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繁 殖 斑初期は、4-7月。 年に一回繁殖する。 一夫一妻。 つがいで分散し、コロニーに営巣する。 巣づくり: 岩礁・断崖の上に枯れ草・枝、枯れ葉などを巣材にして巣をつくる。 産卵: 1巣卵数、4-5個。 抱卵: 雌雄交代で抱卵する。 海で採食して胃に蓄え、抱卵中のつがいの相手にくち移しで餌を与える。 孵化: 孵化日数は、約34日で孵化する。 雛は晩成性。 抱卵期も巣材を調達する。 育雛: 雌雄で給餌・子育てをする。 雛は頭を揺らしながら親に餌をねだる。 雛への給餌は、雛の頭を親鳥の嘴に入れさせ、半消化の魚を食道まで吐き戻して与える。 雛が成長するに連れ、親と同じ食べ物になる。 日射が強くて暑い日は、親鳥が嘴で雛に水をかけて、冷やしてあげる。 年間をとおして群で生活することが多い。 繁殖期は一定の距離を保って集団営巣する。 越冬期は、日中、分散して採食し、夜間は集団でねぐら入りする。 ねぐらと採餌場を往復するとき、V字型の編隊飛行するを組むが、カワウほど上空を飛ばず、水面を飛ぶことが多い。 冬は、ヒメウに混じることもある。 |
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ヒメウ
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種 名 ペリカン目/ウ科/ヒメミウ 姫鵜 phalacrocorax palagicus Plagic Cormorant 時 期 北海道では、留鳥。 形 態 L730mm W98mm. カワウより小さい。 |
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生 態 分 布 全北区。 沿海州、カムチャツカ半島、コマンドル諸島、アリューシャン列島、千島列島、アラスカなどの亜寒帯・寒帯に分布し、 同地域の海岸や島などに繁殖分布する。 日本では、北海道の太平洋側・日本海側に繁殖分布する。 冬は、南下した個体が本州中部以北に生息する。 生息地 岩礁・断崖の多い荒海に面した海岸に生息する。 島嶼、岩礁、断崖で集団営巣する。ウミガラス、ウミウ、オオセグロカモメと混成営巣するところもある。 冬は2-3羽の小集団で生活し、港湾に入ることもある。 採 食 海上を泳いだり、潜水して採食する。 主に魚類を採食し、カニ類、エビ類なども食べる動物質食。 繁 殖 繁殖期は、5-7月。 年に一回繁殖する。 一夫一妻。 巣づくり: かけ草・枝、海草を巣材にして岩の窪みに巣をつくる。 産卵: 1巣卵数、2-6個、3卵が多い。 抱卵: 雌雄交代で抱卵する。 孵化: 約30日で孵化する。 育雛: 雌雄で子育てをする。 雛は生後、48-58日で巣立つ。 年間をとおして群で生活することが多い。 繁殖期、冬期、飛行などは、ウミウとほぼ同じ。 |
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ウミスズメ 絶滅危惧1A類(CR)
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種 名 チドリ目/ウミスズメ科/ウミスズメ 海雀 Synthliboramphus antiquus Ancient Auk 時 期 東北地方以北では留鳥。 南では冬鳥。 形 態 L260mm W460 マダラウミスズメとほぼ同じ。 嘴峰16-19mm 翼長120-130mm 尾長32-37mm ふ蹠24-27mm. 雌雄同色。 頭頂に冠羽があり、その両側は白い。 顔から頭にかけて幅広の黒帯があり、 上胸の黒帯につながる。後頸に白い羽毛があり、 背から下の上面は灰褐色。顎と喉の下面は、 白い。腹の側面は黒い。 冬羽は、前頭の羽毛が短く、冠羽がない。 鳴き声:「ピュピュ」 |
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潜水を繰り返して採食していたウミスズメ 5月
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生 態 分 布 全北区。 日本海沿岸、千島列島、カムチャツカ半島南部からアリューシャン列島、カナダ沿岸にかけて繁殖分布する。 冬は、中古国東海岸から台湾沿岸、カリフォルニア半島まで南下する。 日本では、本州北部以北に繁殖分布し、冬は、ほぼ全国の沿岸で見られる。 コウミスズメ、エトロフウミスズメ、マダラウミスズメ、ウミオウムといることもある。 天売島では、1959年ごろは500羽ほど生息していたが、1963年にはほとんど見られなくなった。現在、少数が繁殖している。 生息地 岸から数kmの沖合の海上に生息し、繁殖期に岩礁や島に上陸する程度。 海荒れのときには、港湾にも入る。 採 食 海上に浮かび、活発に潜水をして採食する。 潜水して水中飛翔をしながら、魚を追いかけて採食する。 主にオキアミなどのプランクトン性の甲殻類を採食し、イカナゴなどの小魚類、貝類も採食する。 繁 殖 繁殖期は、5-7月。 一夫一妻。 巣づくり: 巣は、岩礁や、樹林、草地の地上や、岩のすき間などの、深さ20cmの窪みに枯れ草などを敷いて巣をつくる。 産卵: 1巣卵数、2個。 第1卵産むと1週間ほど巣を離れ、その後、巣に戻って第2卵を産む。 抱卵: 雌雄交代で抱卵する。 夜間に交代。 孵化: 34-42日で孵化する。 雛は半早成性の半離巣性。 育雛: 孵化後、2-3日は親鳥に抱雛される。 親鳥は雛へ給餌をしない。 夜間、雛は親に連れられて巣立ち、夜明けには岸から10km以上も沖合にいる。 非繁殖期は、3-4羽の小群で生活する。 大きい群をつくることもある。 50-60kmも沖合に出る。 繁殖期は、コロニーに集まる。 カムチャツカ半島に3,500つがい、朝鮮半島には1,000-5,000つがい、アラスカには、50,000万つがいのコロニーがある。 絶滅指標 絶滅危惧 IA類 (CR) |
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